平成24年8月31日初版発行
角川書店
単行本
751ページ
1900円
角川書店
単行本
751ページ
1900円
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なぜ「あの男」を自らの手で殺めることになったのか―。
老齢の光圀は、水戸・西山荘の書斎で、
誰にも語ることのなかったその経緯を書き綴ることを決意する。
父・頼房に想像を絶する「試練」を与えられた幼少期。
血気盛んな“傾奇者”として暴れ回る中で、宮本武蔵と邂逅する青年期。
やがて学問、詩歌の魅力に取り憑かれ、水戸藩主となった若き“虎”は「大日本史」編纂という
空前絶後の大事業に乗り出す―。
生き切る、とはこういうことだ。誰も見たこともない「水戸黄門」伝、開幕
家康の子、水戸初代藩主となった光圀の父は、生涯正妻を持たなかった。
光圀は、庶子で3男坊。
病弱だった兄を差し置いて水戸藩の世子(次期藩主)として生きなければならないのは辛い。
儒教的に「義」に反する。これは「不義」か。
光圀は、庶子で3男坊。
病弱だった兄を差し置いて水戸藩の世子(次期藩主)として生きなければならないのは辛い。
儒教的に「義」に反する。これは「不義」か。
この「義」か「不義」か、と云う問題が本書の底に常にある。
冒頭、水戸光圀によって水戸家の大老が処刑される。
大老は若くして光圀によって見出された秀才であり、
大老は若くして光圀によって見出された秀才であり、
史書編纂事業に従事することを望んでいた。
光圀が水戸家三代目の参謀と期待した人物だった。
光圀公は手記の中でこの処罰が正しかったかを何度も自問する。
登場人物の中で「林読耕斎」が光る。
水戸光圀がこれほど激く生きた人物だとは思わなかった
幼少の頃の父が課す「お試し」が壮絶!
750ページと云うぶ厚さを感じず、ページをめくるのが楽しかった。
待ち人数3桁もダテでは無かった。
「黄門」とは官職の中納言の事らしい。