2012年01月

(339)【学問】山田詠美

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2009年6月30日発行
新潮社
単行本
1500円
 
 
 
図書館で借りる
 
 
 
この本、借りようと思った時図書館待ち人数50人近かったので諦めた。

図書館の本棚にチンマリと納まっているのを見、?ん?
聞き覚えが有るナ、と思いだして借りた次第。
BOOK」データベースより
東京から引っ越してきた仁美、リーダー格で人気者の心太、食いしん坊な無量、
眠るのが生き甲斐の千穂。
4人は、友情とも恋愛ともつかない、特別な絆で結ばれていた。
一歩一歩、大人の世界に近づいていく彼らの毎日を彩る、生と性の輝き。
そしてやがて訪れる、それぞれの人生の終り。
高度成長期の海辺の街を舞台に、4人が過ごしたかけがえのない時間を、
この上なく官能的な言葉で紡ぎ出す、渾身の傑作長篇。

冒頭、死亡記事から始まる。
 
四章に分かれいるが、全て章の冒頭は死亡記事。
 
途中で気付いたのだがこの記事は物語の四人の主人公たち。
若くして亡くなったものから100歳過ぎ迄生きた者もいる。
 
だが描かれているのは高校生まで。
 
故、この死亡記事で四人の其々の人生を想像するのだ。
 

小学校から高校まで、子供から思春期の性の目覚めとでも云おうか、おぼろげに意識する頃から
具体的(笑)に解るまでを丁寧に描いている。
 
 
仲間の一人が家から持ち出してきた本「幸せな夫婦の営みのために」、
秘密基地で、四人は額を寄せて見る
 
その中で面白かったのは、「子供に見られてしまったら」。の章があって、ナルホドなぁ、と思ったが
この中で二人見てしまった子どもがおり、この場で二人は「ハッ!」と顔を見合わせ
 
初めてあの意味が分かった。
 

かなりきわどい事も書かれているが、全くいやらしい感じはない。
何といっても、始めて「心太」と「仁美」が出合うシーンがいい。
 
 
彼は、竹やぶから飛び出してきた。
 何してたの?    「ションベン」。彼はあっさりと言ってのけた
 夢中で遊んでいるうちに彼女は尿意を我慢できなくなり、その場でお漏らしをしてしまう
恥ずかしい!  心太は彼女が恥ずかしさにかたまっているのを見て
そんなことは何でもない、俺もするから、といってパンツを下げ、チンチンを出しオシッコをしようとするが、
今してきたばかりなので出ない。
「でもお互い見せちゃったからおあいこだ」 と言って
ランニングシャツを彼女に渡して濡れた足元をぬぐいう。
 
このシーンに続く、心太と、仁美の会話から、これからの展開にわくわくした。。。。が、う~ん。。。

心太と仁美、結婚すると思ったんだけどなぁ。

なんでしなかったんだろ?なんで息子なんだろ?
 
死亡広告で読者に想像させる、ってナルホドね。
 

 
山田詠美の著書は何冊か読んだが、 

彼女の著書にしてはこれまで読んだ路線とは少々違い、面白かったです。
 
 
 追・・・・・
 
何処でもすぐ眠ってしまう子、とか、異常な食欲の子、とか、其々其の事に関しての何か訳が有るのかと思ったんだけどなぁ。
 
たとえば、眠っちゃう子は ナルコレプシーだった、とか、
 
リュックの中にお菓子をいっぱい詰めて学校にも何処にも常に持ち歩いて居る子は、
糖尿病が有った、とか、何らかのストレスからの異常食欲だった。とかね、
 
それが単純にそれのみの事に終わってたのがちょっとなぁ。。。
 

それと、あれほど常に言う事、成す事が的確、冷静だった「心太」が、
恩人の塾講師へのお門違いな恨み事を言うシーン。あれなくてもいいんじゃないのかなぁ?
 
あそこで心太の人格がガラリと崩れちゃうと思うんだけど。。。。
 
                    ってな勝手な事をほざきまして  (ノ∀`)スミマセヌ。

(338)【海も暮れきる】吉村昭

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1980年3月22日第1刷発行
1989年10月20日第4刷発行

講談社
単行本
259ページ
1340円
 
図書館で借りる。
 


詩人「尾崎放哉」が、小豆島行きの汽船に乗る所から物語が始まる。
 
 
東京帝大の一高時代、一年上級の俳人仲間でもある井泉水の世話で
小豆島の俳人井上一二の元に行き、彼の口利きで、西光寺・南郷庵の庵主となる。
 
収入は春に巡礼で回ってくるお遍路さんのお賽銭(蝋燭代)のみ。
それまでは無一文である。
 
彼は酒を飲んでは周りの者に悪態をつく、
村の者から苦情が寺の住職や、井上一二の耳に入り「禁酒」を誓うが3日と持たない
その度にあわてて詫び状を書くが3日と持たない。悪い酒である。
 
酒代も無く、周囲の思い当たる所全部に無心しまくるのだが、これが凄い
良くもアチコチ無心できる所を探すものだ。
 
彼は傲慢な所が有って、一時は其の、親切に感涙したりもする一方では
彼らが金を貸してくれるのも、金品を恵んでくれるのも当たり前、
という意識が常にある。
 
その「当たり前だ」、の傲慢さ、と、「親切にされた時のみ」の感激、
感謝の気持ちが、激しく入れ替わる。
 
繊細と言えばそうだが、大人として精神的に育っておらず、
其の躁と鬱は、病的と言ってもいいかもしれない。
 
酒を飲んで彼の吐く毒舌は棘が有り、人々を深く傷つける
 
また身内、でも親戚でも無い寺の住職や井上一二らに無心をしまくるが
 
望みをかなえてくれない場合は遡って恨みに思い、其れまでの恩にまでもにケチをつける
 
 
彼は、この島に来た時、「結核が重くなったら海に身を投げて死ねばよい」
「海は何でも受け入れてくれる。こんな自分でも受け入れてくれる」。 と考えていたものの、
 
イザ重篤になると、立ちあがる事、声を出す事は勿論、便所に這っても行けなくなってしまい
その時初めて自分の考えの軽薄さに気がつく。
 
そんな彼の身辺の世話をしてくれたのは近所の主婦シゲだった。
 
夫は漁師、死に水をとったのも彼らだった。
 
 
放哉は、シゲには全く何の礼をすることも出来なかったが
内心では、「多分、住職が自分には内緒で金を与えているのだろう」と思っている。
 
最後は全く食べ物を摂取する事が出来ず、餓死に近かったのだと思う
骨の上に皮が張り付いているような姿だった
苦しみに苦しんだ挙句の壮絶な死だった。   享年41歳。

 
読めば読むほどに「知り合いになりたくない」だが最後はホロリとさせられた。
 
彼は結核で肺も腸も喉も金に侵されていた。重症である
当時結核は不治の病で、うつるのを恐れ、患者に近寄るのを嫌がった時代でもある
それをシゲ女はシモの世話から失禁の始末まですべてやってくれた。
 
海が見たいと云えば背中を支えてくれ庵から見える海を見せてくれた
彼が無くなった季節は、雪柳や木瓜の花が咲くころで、
放哉はシゲの摘んできた木瓜の花を嬉しそうに眺めていた。
 

春4月。これからお遍路さんが来て庵もにぎやかになり、蝋燭も売れる季節、

彼は鈴の音を初めて聞いた時、張り切っていたのに・・・
 
いくら嫌な奴でもこの最後は切ない。
 
 
この本を読んだら、自分が重病にかかっているような気がしてきてしまった (´Д`)

史実に基づいたものを書いたら吉村昭の筆力は、やはりすごい。
 
                      晩年の句より  
         咳をしても一人。
 
         障子あけて置く海も暮れ切る。
 
         入れものが無い両手で受ける。
 
         寂しいぞ一人五本のゆびを開いてみる。
 
         白々あけて来る生きていた。
 
         これでもう外に動かないでも死なれる。
 

(337)【荒野へ】ジョン・クラクワー

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1997年4月30日発行
 
集英社

単行本

本文279ページ
2700円
 
 
 
図書館で借りる
 
 
1992年4月、一人の青年ガアラスカ山脈の北麗、住む者の無い荒野へ徒歩で分け入って行った。
 
4か月後、ヘラジカ狩りのハンターたちが、うち捨てられたバスの車体の中で寝袋にくるまり、
餓死してる彼の死体を発見する
 
彼の名はクリス・マッカンドレス、ヴァージニアの裕福な家庭に育ち
2年前にアトランタの大学を優秀な成績で卒業した若者だった。
 
この事件は最初、地方新聞で報じられた若者の変死は、やがてアメリカ中に波紋を呼び起こした。
 
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著者のクラカワーは大学卒業後のクリスを追いかけ、その時々にクリスと触れ合った人々を捜し出し
インタビューし、彼の心の軌跡を検証する
 
登山家の著者にとって、クリスの精神は理解できないものではない
自らの体験も踏まえ共感と哀惜の念を込めてクリスの身に何が起こったのかを描きだす。
 
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クリスは父親に反感を抱きながらそれを口にはしなかった
彼の父親は重婚をしていた時期が有り、彼は2番目の妻の子供だった。
 
それを知った正義感の強い彼は思い悩み父親に大して反感が有ったらしいが
自分がこれを知った事を父親にはもちろん周囲には隠していた。
 
彼は多くの若者にありがちに、周囲の自分への干渉、特に両親の干渉を嫌った。
 
彼は優秀で真面目、トルストイに心酔し、彼の書物を読み漁り、「富は罪である」的な考え方を
持っていたようだった。
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バックパーカーのように放浪し、アラスカの大地で孤独な生活をして
彼の中の世界は大きくなったのだろうか?
 
              人間は学びを何から得るのだろうか?
 
息子は、ある時期(または永遠に)父親と対立する事が多く
普通は対立しながらも、折り合いをつけながらいつの間にか親を超えるものだ。
 
彼の場合、感受性、正義感が鋭く、自信過剰な所が有り、他の意見に耳を傾けない所が有り
学業は優秀だがどこか世間が小さく、狭い中で悶々としているように思える
 
彼は自分の望み通りの人生を歩み、たまたま亡くなりはしたが本望だろう
親としての落ち度が有ったとはいえ、親不幸には変わりない。
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親は、親になった時から子供に、どんな目にあわされても仕方ない覚悟がいるように思う。

子供は生まれて3カ月で、その愛らしさで一生分の孝行を親にした事になるという
だから、あとは、より以上の高望みや自分の思うままに歩ませようとしないことだ
自我が芽生え、自分の考え方を持ったら、親のエゴは押し付けない事だ
 
                    親とはなんと切ないものよ。
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青年の冒険をしたいという気持ちは、誰しも理解できると思う。
 
たまたま彼はアラスカの寒地で餓死した。
はたして彼は何を求めたのだろうか? いや何かから逃げたかったのだろうか?
 
と、こんなことを考えてしまった。
 
読む前はもっと謎大い内容を連想したが、
どうも著者は殊更問題を難しくしているように思えてならない。

    荒野へ・・・ジョンクラカワー。名前ばかりそこここで見聞きし期待が大きすぎた。
 

(336)【銀漢の賦】葉室麟

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2007年7月15日第1刷発行
文芸春秋
単行本
245ページ
1381円
 
松本清張賞受賞
 
図書館で借りる
 
 
内容紹介
月ヶ瀬藩の郡方・日下部源五と、名家老と謳われる松浦将監。
 
幼なじみでありながら進む道が分かれ、絶縁状態にあった二人を、
藩政をめぐる暗闘が二十年ぶりに結びつけた。狙う者と狙われる者として―。
父の仇、女への淡い思慕、秘剣、一揆など胸躍る多彩な要素を展開させながら、
男の友情を爽やかに描ききる。
読み始めて、すぐ、これは1月に読んだ 【秋月記】 に似てるな、と思った
 
「秋月記」は九州福岡の秋月で起こったお家騒動の話
 
本書も 「西国の月ケ瀬藩」という設定で架空の藩になってはいるが「ヶ瀬」。
 
物語の土台となる時代、地域、人間関係は「秋月記」と根幹は酷似しており、枝葉を替えたのかな?
と言う感じを受けながら読み始め、少々ガッカリしたものの、中ほどからはグーんと面白さアップ。 
 
酷似している。と思うのは、
「悪名高い家老を若い武士達が失脚させ、イザ自分たちがその立場になったら、同じ事をしていた」、
という内容。これはおなじで、「秋月記」を読んだ人なら、多分同じ感を持たれた事と思う。
 
少年時代を共に過ごした、3人の男たちの生き様に其々の運命が絡んでゆく
ウナギを獲った百姓の倅の「十蔵」は、
 幼いころに両親を亡くし祖父母に育てられた「源吾」にウナギを売り、
 
源吾は、     母一人子一人の「小弥太」の病弱な母に食べさせたいと小弥太の母に届ける
 
          小弥太の母は 三人にウナギを焼いて夕飯を振る舞う。
 
同じ夜空を眺め星を仰いで育ったこの3人は強い絆で結ばれてゆく。
 
 
天の川を漢詩では 銀漢 と呼ぶことを二人に教えた 「小弥太」 は家老になり、(後の「将監」)
源五」は藩の郡方となる。
十蔵」は勤勉な百姓となり、一揆の首謀者として藩政に立ち向かう。
 
其々の置かれた立場から、
           相反し、対立し、葛藤しながらも、ある時は敵となり、ある時は見方になり・・・
 
  複雑に絡んだ人間関係の中で葛藤しながらもその立場で最善の道を全うしようと奮闘する。
 
 

何といっても、登場人物達に言わせるセリフがいいのだ。
 
小弥太の母親が花を生けている。思い切りよく鋏を入れているのを見た源吾は
「花というものは自然に咲いておってきれいなものだと思いますが、
                       やはり葉は切らねばならぬものですか」   と聞いく

母親はにこりと笑って、 「源五殿は、人は皆、生まれたままで美しい心を持っているとお思いですか

「いや、それは――」  源五が頭をかくと、

人も花も同じです。 生まれ持ったものは尊いでしょうが、
     
それを美しくするためにはおのずと切らなければならないものがあります。
         
 花は鋏を入れますが、人は勉学や武術で鍛錬して自分の心を美しくするのです

       千鶴は静かに石蕗(つわぶき)に鋏を入れながら、
     
 「花の美しさは形にありますが、人の美しさは覚悟と心映えではないでしょうか」  と言う。
   老齢に達した源吾は
    「銀漢とは天の川のことなのだろうが、
                  頭に霜を置き、年齢を重ねた漢(おとこ)も銀漢かもしれんな。」
 
                  と、ここでタイトルと繋がる。
 
 
        九州の小藩のお家騒動や、井堰建設難工事、百姓一揆、等をからめた本書、
            常に「秋月記」が頭にチラついたが、これはこれ、で読み応えのある内容だった。
 

源吾が中年になり、与えられた過酷すぎる 「井堰建設難工事」 では、先頭に立ち
                                   鬼となり取り組む孤独な姿が胸を打つ。
 
 
 
50歳を過ぎた源吾と小弥太が覚悟を決め、決死の峠越えをする所から始まり
                              彼らの少年時のエピソードを交互に綴ってゆく。
 
 
     彼らを取り巻く周囲の登場人物が良く描かれ、回りくどい表現も無いのがいい。
 
 
 
        ただ、最後がちょっと甘ったるいかな?
 
私的には小弥太が脱藩に成功し、源吾に託された掛け軸が届いたあたりの
   
        「漢詩」の所で終わりにしてくれればなぁ。。。などと勝手に思いました。
 

葉室麟氏の著書は2冊目だったが、このほかの本も「秋月藩騒動」が土台になっているのかなぁ
おもしろく読めるんだけどね、あまり土台が同じでチョロチョロと葉っぱだけ替えた、と言うのでは
抵抗が有るなぁ。それでも読んでしまうとおもう、、、程、葉室センセの文章が好きです。(苦笑
 

(335)【脱獄山脈】 太田欄三

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昭和57年月10日初版発行
角川書店
文庫本 439ページ
490円
 
 
図書館で借りる
 
 
 
内容紹介
奥多摩湖に、すでに腐敗現象をみせ始め、膨れ上がった男の死体が浮かび上がった。
6日後、今度は親不知海岸で若い女性の死体が発見された。被害者は一刀夕子。
たった一人の兄、一刀猛は元警察官、現在は人妻殺しの罪で多摩刑務所に服役中であった。
だが、事件を知った一刀は、妹の復讐のため、弟分を殺された岩田と謀り脱獄を敢行した。
殺人犯でやくざの岩田、色白で女役専門の金井、詐欺を得意とするオッサン、
それに一刀を加えた4人は脱獄、山岳逃避行をする間に、
次第に仲間としての連帯の意識に目覚めていくが・・・・
 
 
山岳ものです。が、新田次郎等今まで読んだものとはチト違って、脱獄犯が主役です
 
多摩刑務所から脱走する所が面白い、

二人だけで脱走ずる筈がたまたま居合わせた二人がくっついてきた
脱獄犯4人は山登りの経験は殆どない。
 
其の4人が山中を逃走中 (逃走といっても実にのんびりと明るいもの)
自殺しかけた美女を助け 5人の逃避行となる。
 
全員実名を隠し、リーダー・サブリーダーとか言う呼び名が可笑しい。
 
 
 
本来脱獄囚と自殺未遂女の山中逃走劇だから暗くハラハラドキドキするような内容を想像しがちだが
山の歌を歌ったり、ム所では敵わない「畳の上で寝る、御馳走を食べる、ゆっくり風呂に入る・・・」等々
 
何よりも日が経つにつれ、山の空気に5人が浄化されてゆく姿が気持ちいい。
 
5人の個性が強く、わかりやすくて魅力的
 
彼らを追う警察の動きも良く描いて有り、特に主人公の脱獄犯「一刀」の同僚だった警察官の絡み方も面白い。
 
 
何せ古い文庫本で、表紙はビニールカバーが貼ってあるもののボロボロ、中は茶色に変色しているものの
30年、もっと前か、だから時代ズレは多少あるものの、面白く読めた。
 
 
甲州街道の近くにある、「多摩刑務所」を脱走し、
トラックの荷台に飛び乗ったりしながら国鉄(当時)矢川駅から奥多摩駅まで電車で移動、
北アルプス・後立山連峰から、日本海までの大縦走をする。
 
 
山の中で皆で歌う歌が「君の行く道は~果てしなく遠い~・・・」脱走犯が青春歌を歌う姿を想像すると
何とも可笑しい。
 
この「脱獄山脈」を読んで、同じコースを縦走する、と言うのが一時流行ったらしいし、
また登山家の憧れになったとも聞いた。
 
 
最後に来てアレヨアレヨと言う間に事件は解決に向かうのが、ちょっと乱雑かな?とも思うが
充分面白く読めた脱獄もの?登山もの?でした。        チャンチャン!
 

芥川賞作家「田中慎弥氏」インタビューに好感!

 
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芥川賞受賞が発表された
 
田中慎弥氏の受賞インタビューを見て、違和感を覚えた人は多いと思う イメージ 2
 
私もその一人、「変人」「素直じゃない」「屈折している」失礼なやつ」「傲慢」「軽薄」などななど
 
   直木賞を受賞された「葉室麟」氏は 
          「秋月記」を読んで以来嵌まっているので 「受賞されて良かったな」 と思った。
 
 
最近、両賞受賞作は、あまり興味もない
               (ほとぼりが冷めてから一応図書館で借りて目を通すようにはしているが)
 
と言う事で、今回も家事をしながらチラ見した程度で
                     「田中氏」のインタビュー」をまともにすべて見た訳では無いけど
 
      ま、見ているのも恥ずかしいような・・・そんなインタビューだった
 
 
それが、たまたま今朝、「朝ズバ」を新聞を読みながら見ていたら、
私の贔屓の「井上アナウンサー」 による、田中氏のインタビューが始まったので、注目した
 
もう~、一人で爆笑してしまった。  イメージ 3 印象が180度変わりますた
受賞時のあのコメントも可笑しかったけど、正反対の可笑しさに終始した
 
この方、素直。 見方によっては常に正反対にも取れるけど
直球で質問すれば 直球で答えが返ってくる。  実に気持ちがいい。
 
質「受賞時の、あのインタビューをご覧になってどうですか?
答「マヌケです」 
質「受賞の電話をもらった時、嬉しかったですか?」
答「嬉しいというより、ホッとしました」
質「上京した東京の印象は?」(彼は下関在住)
答「思ったより緑が多く綺麗ですね」
質「東京は好きですか?嫌いですか?」
答「好きです」
 
石原都知事についての発言も面白い
 
質「都知事の前でもあのような発言で来ますか?」  (正確ではないかもしれないがこんな質問だった)
答「できません。ひれ伏します。」
質「都知事に会いたいですか?」
答「怖いです。会いたくないです」
 
その他 実にストレートな 質疑応答で 面白ぅございました
 
                
確かに彼はどこか屈折した所が有るのだろう。
 
ほんの一部だけだけど、彼の生活や、作家としての軌跡などを垣間見、
これから注目したいと思った。
 
 
「好きな言葉は?」の質問に、 「本で読んだ言葉です。」 と言って色紙に書いたのは、
           ―― 足が縺れても 踊り続けろ ――
 
このインタビュー、始まる前からカメラが回っていたが、
                              終始、謙虚で礼儀正しいお方。という印象でした。
 
 
 
つくづく、人間、ちょっと身では分からないなぁ、と思った。
 
インタビューを観た「みのもんた」も誉めていたが、
アナウンサーが彼の持ち味を良くひきだしたという事だろう。
 
近頃のアナウンサーを観ていると、折角良い機会を得たというのに
ここで、何故あんなくだらない質問をするのだろう? (真面目な番組に於いて) と思う事が多い中、
彼は、状況判断がよく、インタビューも的を得て数少ない好きなアナウンサーの一人だ。
 
見ていて良かったなぁ~ ♪
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今回の受賞作、図書館ではとても借りられないと思うので、 (待ち人数が凄いと思う)
                           これまでの著作を借りてみようかな?なんて思っている。 
 

昨夜の夢

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                 ひさしぶりに夢の話。
 
私は職場に居ます 
同僚がお菓子を配っています。 私の手前でストップ。 何故かこちらには回ってきません
紅白の落雁を皆で半分こしています。 私の所へは誰も来ません
 
上役が何か、私に、怖い形相で何か言っていますが聞こえません
 
        σ(・ω・。)  スミマセンが聞こえませ~ん!
 
上役、指をさしながら、ツカツカと来て
「○○さん、アンタもっとやる事早くしてください
           仕事も!休憩も!食事も!何もかも今の倍のスピードでやって下さい!」
 
       σ(・ω・?)  σ(・ω・?)  σ(・ω・?)
 
帰り道、同僚が慰めてくれている
私は読み終わった本を小脇に抱えており、その本に同僚の視線を感じ、
        σ(・ω・。) 「あ、この本読み終わったから、読む?」
 
        同僚 「・・・・   」  
 
二人で歩いていると、何やら人だかり、 
       同僚、「あら、焼き牡蠣だあわ、1個100円だって!」
 
   σ(・ω・。) 「わ~♪牡蠣大好き!食べてイコ~・・・・・・・あ、お金持ってない、貸してく、れ・・・」
    同僚   「・ ・ ・ ・ ・    」
   σ(・ω・。) 「あ、今日はいいわ、やめとく~、走って帰ろ~」
                                ε=ε=ヘ(*゜∇゜)ノ(2時間はかかるな・・・)
 
ここで、
  私は、皆に仲間はずれ、といおうか、イジメに合い、嫌われうとまれているんだ。
                                           と言うことを認識するが
それが何故だか? いつからだか? 皆目分からず、
 
家路へ向かって走りながら
 
    「なんでだ???職場を辞めろという事か???辞めた方がいいのかなぁ?
 
     イヤイヤこんな事で辞めたら女がすたる。
 
     まてよ、短い人生、なにもこんな雰囲気で 意地で働いて、何のメリットが有るんだ?
 
     でもね~これからまた職探しかよ><;。。。。。。。。。。。。」
 
                     と言う所で目が覚めた。
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私は仕事は丁寧にやるので、多少遅いかもしれないけれど
   それは自分の計算の内に入っているので、最終的に他に遅れをとる事はない。

昔、パートに出ていた頃、任されてポジションは、「正確に、より早く」、が要求されていた
  それを計算に入れ、少し早く出勤、段取りをキッチリして、苦情の出ないようにこなしていた。
  休憩は、必ず5分前には腰を上げた。
 
  が、何処へ行ってもみなさんキッチリ、ギリギリまで休んでいく。
「なんでそんなに急いでゆくのよ~!私たちまで行かなきゃならないじゃない」 。。と言われる

  そんな時は、笑いながら 「σ(・ω・。)愚図だから、^^;」 と、サーと引き上げる
  「始業時間には、持ち場に戻っている」のが当たり前だと思うんだけどね、他には押し付けない。

また、自分の持ち場は綺麗にしておきたい性分で、暇なときは整理整頓掃除をする

「○さん、どうしてして、そんなに働くの?課長がいない時ぐらい休もうよ、
                          ○さんがそうだと私たちまでやらなきゃならないじゃない」

                 等々、よく言われた。 
 
それだから当然、 何処へ行っても最初の、ひと月位はイジメの対象になる

でも、σ(・ω・。)め、孤独には強いし、 徒党を組む方ではないので、「わが道を行く」、で
          
陰に回ってウジャウジャ言う人は放っておく。 言うのはタダだから^^;ね。

とは言え、あまり皮肉を言ったり、しつこく嫌味を言って仕事の邪魔をするような人には

 ニッコリ笑いながら、
「文句が有るなら、正面から来れば?いつでも受けて立つわよ、 σ(゚∀゚*)血の気多いもんで」

              3ケ月もすれば、み~んな友達になっている
 
だから職場では、最初はともかく、人間関係で揉めたり、悩んだことは殆どない。
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この夢は、「牡蠣」はテレビでやっていたばかりだからわかるけど、イジメは、サッパリわからん
 
 
目を覚まして、考えてしまった
実際、理不尽なイジメを受け続けている人の心情って、ああなんだなぁ・・・・
 
イジメはムキになれば、面白がって嵩にかかってやってくるし
 
無視すれば、それが癪でなお激しくなる
 
大人の世界では、普段は、テキトーにあしらって、ムキにならず、
自分の芯に持ってる強さ、力を、何かのきっかけにチラリと見せつけて置く事だ。
 
相手のプライドをあまりにペチャンコにしてしまうと、後々恨みが残り始末が悪いので
程々に、鼻っ柱をコツンとやっておけば良い。
 
私は、新しい職場に入った時、同僚にとってはイジメ易いらしい。
 
仕事を 覚えるまでは非常に従順だから。
 
その代り、仕事を覚え一人前になった時は、理不尽な文句は言わせない。
 
仕事さえキッチリやっていれば、職場では決してイジメには合わない。
 
だから、何が何でも人より努力をし、早く仕事を覚えれば良い。
 
先が見えている「イジメ」は我慢が出来るものだ。
 
それにしてもなぁ。。。。。なんで、「落雁」半分こ???イメージ 4
 
走って家まで、って???定期は持ってなかったの?
 
なんで無一文だったんだ???
 
ビンボー過ぎるよね(笑
                 もっと、いい夢がみた~い! (Θ_Θ;

(334)【チェスの話】 ツヴァイク短編集

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2011年8月19日発行
みすず書房
単行本
232ページ
2800円
 
 
図書館で借りる。



主人公が乗船したフェリーには チェスの世界チャンピオンがいた。

物語ではこのチャンピオンが、如何に教養が無いばかりでなく、
協調性も無くチェス以外では全く「ダメ人間」であるかを殊更に強調している。
 
 主人公はチャンピオンと対戦したいと思い作戦を練り、それが功を奏し、
数人のチェス好き達と、チャンピオンによる、「一人」対「複数人」の対局が組まれる事になる。

しかし、いくら頭数ばかり居てもチャンピオンには歯が立たない、ギブアップ寸前で
見物人の中から凄腕の紳士が現れ、適切なアドバイスを送る
 
その紳士は、ナチスドイツに捉えられ、死ぬほど孤独な軟禁生活を送る

その孤独から己を救い、生き延びるため、偶然手に入れたチェスの本と、パン屑で、
初歩的な知識しかなかったチェスを覚え、空想や夢の中でも
チェスに明け暮れる事で生きぬくが、熱心なあまり、精神に異常をきたし暴れて傷つき、
入院し、医師の尽力もあり、何とか解放された。
 
                という過去の持ち主だった。
 
最初は輪の外側からアドバイスを送っていたが、
皆に、「チャンピオンと対戦してくれるよう」、に頼まれ、一番だけ、と約束する。

「チェスの中毒にかかったものは決して棋盤に近づかない方がいい。」という事を彼は知っている。
 
処が指し始めると紳士であった彼の様子が変貌して行く・・・
 
                 という話。

最後は人間的にダメ人間のチャンピオンと紳士が入れ替わった様になるのが
                                                                                          おかしいやら恐ろしいやら。。。
 
しかし、最初に、チャンピオンの人間像クソミソに書いて有るけど
実際、一芸に秀でた人には変人奇人は良く耳にする。
 
いくら、頭が悪くても、協調性が無くても、これほどまでにこき下ろさなくてもなぁ、と思うけどね(苦笑
 
  他三篇。

(333)【日本敵討ち異相】 長谷川伸

 
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2008年9月25日初版第1刷発行
国書刊行会
単行本
321ページ
1900円
 
 
図書館で借りる
 
 


 
「BOOK」データベースより
 執念の鬼と化した人間と人間との、凄絶なる葛藤絵図-物語として、
美化され伝えられてきた
“敵討ち”を、史実にのっとって再構成し、冷徹な筆致で描いた著者晩年の代表作。

著者の横顔
昭和3年に発表した【沓掛時次郎】で股旅物の流行作家となる
代表作に【瞼の母】【一本が棚土俵入り】【関の八太ッペ】などがあり、
勉強会を自宅で開き大衆作家の育成に尽力し、ここから、
村上元三、山手樹一郎、山岡壮八、池波正太郎、平岩弓枝らが育った。

 
敵を狙い追いかける者、逃げる者、其の執念が著者の筆力で際立つ。
 
日本の当時の社会の時代背景や、しきたりも描かれており、それを踏まえながら読めるので
                                              なおさら興味深く面白い。

   これまで描かれてきた「仇討ちもの」は、
 
敵討をする方は「正義」討たれる方は「悪」と、相場が決まっていたが

  実際は、
 
言いがかりをつけられ、そのままにしておけば当時は「武士の面目」が立たず、
成り行き上、逃げようもなく、仕方なしに抜刀し、斬り合いになり、相手を殺してしまった。。。。
                                                   という事もある。
 
当時の法律は驚くほど緻密に的確に出来ていて、それにのっとり裁判をし、裁かれ判決が下る。
 
斬り殺してしまったが、取り調べの結果この場合は「無実」という事もある。
 
そうなれば殺された親族から「敵討」は願い出ても当然却下される

当時、日本の敵討には不文律が有って、
 
   卑属が尊属の為にはやるが、尊属が卑属のの為にはやらない
 
                      つまり、弟が兄の敵は討っても兄が弟の敵討はやらない。
 
   子が親の仇は討っても親が子の仇を討つ事は許されない。

だが、これも逃げ道が有り、
殺されたものの目下のものを討人に立て、目上の者は助太刀で同行すれば名分は立つ。

また、死屍に“さいなみ”を加えることは、人道からも不文の律からも、逸脱するとされ蔑まれた。
 

敵討をするには「敵討許可状」をもらわねばならないし
もし、敵討を明言したからには所属の藩に暇願いを出し、浪人の身となる。したがって収入は無い。
 
藩やその他から多少のお金は降りるが、そう容易く仇が見つかるわけもなく
ほとんどの場合途中で資金不足になり、アルバイトをしながら食い繋ぐのである。
 
 
【藤渡戸の血】 は、野手崎村(岩手県江刺市)で起った泣かされる話である。
 
当時、この地方では、農作物を、領分違いのものに売り渡すことは禁止されており、「脱穀」と言った。
 
これを取り締まる者が農家から選ばれ、「下横目」と言い、薄給で名誉だけで勤めていた。
この「下横目」たちは脇差を持ち事は禁止されており、許されているのは棒や木刀くらいだった。
 
下横目を仰せつかったものはのスケ(補助)を伴い、棒きれ一本で、脱穀の密輸出をする悪党どもと
戦わなければならない。
 

有る夜、下目付は脱穀者と奮闘の末殺される

スケは恐ろしさに逃げ地にひれ伏して、息を殺して賊が立ち去ってから村に逃げ帰った。
 スケの、その不甲斐なさに周囲からは非難され、入牢をも申し付けられ、
厳しい「脱獄の犯罪人吟味」を受け、
 
  「下横目が斬り殺されるというのに、スケ役の下横目付き人たるものが
         何事もせず、ただただ逃げて助かるとは、卑怯の罪に抵る」   というのであった。
 
  入牢100日が言い渡されたが実際は150日入っていた。
  卑怯者とそれだけ憎まれていたという事であるらしい。

牢から出、亡くなった下目付の家に詫びに行き、当時の事を話すが
                       女房から恨み事を言われ申し訳なさに泣くばかりであった
 
この時15歳であった下目付の倅「善六」はスケに
                     「良く話しに来てくれた有難う。これでもう別れよう」、と彼を許した。
 
それから幾年月、母親倅が仇討ちをするのではないかと心配で
                      「男親を殺した奴に殺されるようなバカな事をするでない」、といさめられるたび
 
「そのような事は全く考えてない」と言い続けた。
 
月日が経ち、善六は従妹を女房をもらった。  月日がたち、母親は死んだ。

母親の1周忌の翌日から仇を殺す下準備かかる
 
月日がたち、仇の居場所を突き止め、家にとって返し、脇差を持ち出そうとすると
女房が彼の腰にすがりつき、「何をするぞ!何を」 と泣き声をたてた

彼は女房の目を覗きこんでひと言「敵討ちする」
女房は手を離し、力のこもった声で、「あい」
           
          (ここが泣かせる)

見事!仇を討った。  「善六、只今親の敵を討ちました!」  あらん限りの声で叫んだ
「この事を検断(役人)に届けてくだされ」
 
縄をかけられ役所に引きたてられた。仇討ちと本人は言うが、
                          仇討ち許可証も持ってなければ、ただの人殺しだ。
 
護送され調べられて
 
15歳から、46歳の今まで32年の間にわたる 様々な事が あきらかになると
未決囚の扱いが変わって、敵討の討手として扱われ、女房と倅が呼び寄せられた。
 
討った一族の意趣返しに妻子を襲うかもしれないのでその防衛策であり、
                                          家族は有る人物に預けられた。
 

善六は、無罪の判決を下され、武士の扱いで伊達一門に預けられ、妻子と一緒になった。
 
手厚い待遇を受け、その後、名字帯刀を許され、
                      晩年は、後藩の代官所詰めの才能のある史員になったという。
 


13編すべてが面白かった
 
最後の「九州と東京の首」は先日このブログで取り上げた 秋月藩の「遺恨あり」の話だった。
 

「燈籠堂の僧」「山本孫三郎」「猪小屋の櫛」(女敵討ちについて)
 「槍の権左」「三人の首代」「古寺にいる女」「東京筋替え門外」
 「若い武者修行者」「八十一歳の敵」「男女の監獄校」「万屋九兵衛の母」。

(332)【ごん狐】 新美南吉

 
イメージ 1
 
絵 石倉欣二
 
 
 
2004年6月7日発行
小峰書房
単行本
151ページ
1400円
 
 
図書館で借りる
 
 
 
ごん狐は昭和50年代からはすべて4年生の国語の教科書に掲載されているという。
「ごん狐」と言う童話が有るのは知っていたが、読んだことはなかった。
なるほど、これで納得。 比較的新しい童話だったので、知らないのは当然だという事か。
 
 
 【手袋を買いに】
イメージ 2
 
 
子狐が霜焼けにならないように
毛糸の手袋を買ってやりたいが
母狐は、街に行った時、人間に怖いめに合ったので
街に行く事に腰が引けてしまう
 
そこで、子狐独りで街に行かせる。
狐だとバレぬよう、母親は子狐の片方の手を人間の手化けさせ、
「こちらを見せるんだよ。
        絶対間違えてはいけないよ」
      人間はこわいものだ。と言い聞かせる。イメージ 3
 
子狐は間違って狐の方の手を見せてしまうが、
    本当の銀貨を出したので、手袋を売ってくれた。
 
子狐は「人間は怖くなかった」と云い、
母狐は「本当は人間はいいものかしら。」とつぶやいた。
 
          という話。
 
 

童話って以外に落とし穴が有る(苦笑)
そんな恐ろしい人間の住む街へ子狐一人に
買い物に行かせる母狐。

子供がこの話を聞いてどんな感想を持ったのか
聞きたいと思イマス (ノ∀`)

 
【ごん狐】

狐のごんは、いたずらです。
兵十が捕まえたウナギにイタズラしているうちにウナギは死んでしまった
                    イメージ 4
兵十のお母さんが死んだ。
兵十が母親にウナギを食べさせるために 獲ったウナギだった事を知った ごんは後悔する
それからごんは兵十に罪滅ぼしをしようと、色々やるがどうもチグハグにになってしまい
ある時、兵十に鉄砲で撃たれてしまう
イメージ 5
持っていた木の実で、兵十は今まで、木の実を戸口に置いて行ったのがごん狐だったと解る。
 
 

他に、 【狐】  【巨男の話】  【張紅倫】  【鳥右エ門諸国をめぐる】 など。

著者がこれを書いたのは18歳の時。
29歳で咽頭結核により永眠。
 
童話を書く時、何かの思いを子供らに 伝えたくて書くと思うんだけど
たまに、う~ん・・・と、うなりたくなるものもある
 
 
「ごん狐」は、教科書に載せるには程良く考えさせる奥行きがあり、大人が読んでも面白い。
 
ウナギを自分が殺してしまったために兵十の母親が死んでしまった事を知ったごん狐
最初は罪滅ぼしにイワシを盗んで兵十の所へ置いておくがそれが仇になり
兵十はあらぬ疑いをかけられ、袋叩きに合うのだが・・・・
 
この辺りが面白い。
 
10歳の児童、これを読んで、何を思ったか、
教師の指導や先入観の無い所で、感想を聞きたいものです。

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