2009年6月30日発行
新潮社
単行本
1500円
新潮社
単行本
1500円
図書館で借りる
この本、借りようと思った時図書館待ち人数50人近かったので諦めた。
図書館の本棚にチンマリと納まっているのを見、?ん?
聞き覚えが有るナ、と思いだして借りた次第。
BOOK」データベースより
東京から引っ越してきた仁美、リーダー格で人気者の心太、食いしん坊な無量、
眠るのが生き甲斐の千穂。
4人は、友情とも恋愛ともつかない、特別な絆で結ばれていた。
一歩一歩、大人の世界に近づいていく彼らの毎日を彩る、生と性の輝き。
そしてやがて訪れる、それぞれの人生の終り。
高度成長期の海辺の街を舞台に、4人が過ごしたかけがえのない時間を、この上なく官能的な言葉で紡ぎ出す、渾身の傑作長篇。
冒頭、死亡記事から始まる。
四章に分かれいるが、全て章の冒頭は死亡記事。
途中で気付いたのだがこの記事は物語の四人の主人公たち。
若くして亡くなったものから100歳過ぎ迄生きた者もいる。
だが描かれているのは高校生まで。
故、この死亡記事で四人の其々の人生を想像するのだ。
小学校から高校まで、子供から思春期の性の目覚めとでも云おうか、おぼろげに意識する頃から
具体的(笑)に解るまでを丁寧に描いている。
仲間の一人が家から持ち出してきた本「幸せな夫婦の営みのために」、
秘密基地で、四人は額を寄せて見る
その中で面白かったのは、「子供に見られてしまったら」。の章があって、ナルホドなぁ、と思ったが
この中で二人見てしまった子どもがおり、この場で二人は「ハッ!」と顔を見合わせ
初めてあの意味が分かった。
かなりきわどい事も書かれているが、全くいやらしい感じはない。
何といっても、始めて「心太」と「仁美」が出合うシーンがいい。
彼は、竹やぶから飛び出してきた。
何してたの? 「ションベン」。彼はあっさりと言ってのけた
夢中で遊んでいるうちに彼女は尿意を我慢できなくなり、その場でお漏らしをしてしまう
恥ずかしい! 心太は彼女が恥ずかしさにかたまっているのを見て
そんなことは何でもない、俺もするから、といってパンツを下げ、チンチンを出しオシッコをしようとするが、
今してきたばかりなので出ない。
「でもお互い見せちゃったからおあいこだ」 と言って
ランニングシャツを彼女に渡して濡れた足元をぬぐいう。
このシーンに続く、心太と、仁美の会話から、これからの展開にわくわくした。。。。が、う~ん。。。
心太と仁美、結婚すると思ったんだけどなぁ。
なんでしなかったんだろ?なんで息子なんだろ?
死亡広告で読者に想像させる、ってナルホドね。
山田詠美の著書は何冊か読んだが、
彼女の著書にしてはこれまで読んだ路線とは少々違い、面白かったです。
追・・・・・
何処でもすぐ眠ってしまう子、とか、異常な食欲の子、とか、其々其の事に関しての何か訳が有るのかと思ったんだけどなぁ。
たとえば、眠っちゃう子は ナルコレプシーだった、とか、
リュックの中にお菓子をいっぱい詰めて学校にも何処にも常に持ち歩いて居る子は、
糖尿病が有った、とか、何らかのストレスからの異常食欲だった。とかね、
それが単純にそれのみの事に終わってたのがちょっとなぁ。。。
それと、あれほど常に言う事、成す事が的確、冷静だった「心太」が、
恩人の塾講師へのお門違いな恨み事を言うシーン。あれなくてもいいんじゃないのかなぁ?
あそこで心太の人格がガラリと崩れちゃうと思うんだけど。。。。
ってな勝手な事をほざきまして (ノ∀`)スミマセヌ。